告解

from takala

dolly

アンティークドールなる物に輪々華が嵌まり込んでいますが、彼ら人形は仲間を呼びます。

友達が欲しい訳です。アンティークドールとはピンキリですが高額とされる物もあります。海外のオークションを観ていますと常識では計り知れない額で、落札されています。

輪々華がとある人形を海外のオークションサイト等で見かけ、「この子はうちの子」と呟くとします。自分には言って来ません。ねだっては来ません。数十万~百を超える程度の人形でしょうか。誰に呟くかと言えば近くにいる人形にです。

数日前ですが輪々華が「この子来るよ」と言った人形の売値がそのまま、その日の利益だった事があります。片手間での投機ですが

片手間とは言え、真面目にやっています。彼女はねだる必要もありません。人形が勝手に来る様なものです。

アンティークドールとは一般的には優雅な蒐集品です。友達が欲しい彼らは持主の財産を増やそうとします。持主が新たな人形を招く事が可能な様に。

輪々華は人形を人として扱うと言うよりは、妖精と考えている様子です。擬人化でなく自然に話し掛け、戯れます。

「この子達は歳を取らない。時を漂う妖精」との事です。かなりの確率で人霊の入った人形を見掛けますが、自宅に居る人形は全て高位な霊が入っており、妖精や天使の括りであると思います。

輪々華の人形遊びが終わらない限りは、自宅が人形屋敷になります。娘も感化されていますので。

夜中に椅子に座っている幼女の人形等は、今にも話し掛けて来る様相です。幸いな事、自分は余り彼らとは懇意でなく話し掛けられる事はありませんが、傍を通れば見られます。

恐怖はありませんが人の気配とは違いますから、慣れる迄に時間を要する事でしょう。

表題をdollでなくdollyとしたのは輪々華の接し方が

「▲▼ちゃん」の風情であるからです。dollyとは英語圏の幼子が「お人形ちゃん」とあどけなく言う時に用います。

doggie(dog)kitty(cat)daddy(father)mommy(mother)bunny(rabbit)等々全て

幼児語です。知らずに遣えば赤っ恥です。輪々華は遣います。日本語に直すと「あのねにゃんにゃんがねブーブに飛び出したら怖いからね」と言った具合。

ゆめ々忘るるなかれ。