声
香雨,雪白にしつこく訊かれる事の一つに、輪々華のどこに最も惹かれたかというのが有ります。
瀧,能生迄が訊ねて来ましたので少し答えます。
惹かれた部分は色々と有りますが、声です。
声と遣う言葉です。
高くもなく低くもないが歌う際には音域が広い、透明だが乳白色に視える声です。きちんと声楽の訓練をすれば良かったのだろうが、当人は息するのに訓練なんて要らないと言っていました。当人には祈祷の一形態なのであろう。
電話で夜に話していて通話中に寝てしまった事が、何度もありました。
輪々華の遣う言葉は独特です。時にあたかも明治時代の人間の様な、言葉の選択をします。
詩的比喩表現も多い、
要に間を取るので次は何を言うかと、相手に耳を澄まさせる。
本質的なテーマである程に話していて面白い、退屈しない。となると思考回路が常人でない点に繋りますが、常人でないのは即ち障りです。普通の生活がままならない事です。
だからこそ強固に守って行く人間が必要です。