告解

from takala

こう見えましても、自殺未遂した事はあります。ガラスの10代です。

悲壮な考えからです。

たぎり立つ想いなり破れかぶれなり自暴自棄なり、言い換えは出来ます。自死すれば輪々華は気付きますから逢えます。その時は霊体で良しと考えていました。彼女が死んだと思っていたからです。

輪々華は樹海で死にたいと話していたので、冬休みに行きもしました。特に迷わず森を抜けました。当然ながら彼女の気配はありませんでした。

 

人の死に興味がありました。死に際に何を思うか、死の淵に在る心身の様相が見たいと思いました。

10代の輪々華が傍に居、幼い絶望や希死念慮を伝えて来たなら応じたと思います。共に死ねるなら応じました。一時期は刹那主義でした。

将来が視えるというのは、限界が視えるという事でもあります。

 

輪々華が突如消えた事は激しい痛みでした。

生命力を丸々取られたと感じました。

天空に押し上げられるが如くの快楽とは、麻薬同様です。後から落ちます。

自殺マニュアルは読みましたが内容が浅いと感じました。人間は簡単には死にません。

 

死の準備をする事で生き直そうとしたのでしょうが、割と楽しんで行いました。
父の車のマフラーにホースを付け、窓から車内に排気ガスを入れる要領。ドア隙間をガムテープで密閉しエンジンをかける。目張りが面倒でした。小1時間かかりました。細かい部分に細工が必要でした。

眠る為に市販の風邪薬1箱と1瓶、処方薬の風邪薬と鎮痛剤をアルコールで飲みましたが、特に変化無し。嘔吐無し。微かに動悸, 目眩,眠気有り。服薬後20分で手の震え。

1時間経ちました。体が異常に熱いのみ。

排気ガスの量が不足しています。死ぬには労力が要ります。先ずこの方法は暑いです。

夜中でしたから両親に気付かれる事もなく、

翌日は休み寝ていましたが翌々日は試験だったので出席しました。最低限勉強はしていました。学生の内は勉強が仕事ですから。

 

 輪々華に話したのは先程ですが、話さぬ方が良かったかと思います。また何か足りない頭で考えています。

彼女の歌声を聴いていて思いますが、どうにも子供の時のままです。何を経験しようが、こちらが何をしようがさせようが、人間界で大人が纏う穢れを負う事がないのでしょう。

純真な存在には逃げる場がありません。自分は穢れていますから穢れに攻撃されていても、攻撃には思えません。傷付く事等は一切ありません。

 外界から輪々華を守る楯にはなりますが、その楯が彼女を傷付けているのですから世話はありません。