告解

from takala

傾眠と潔癖

 輪華の傾眠は脳波の問題であった。脳の精密検査結果より漸く判明した。

全身状態が悪く体力が落ち、気鬱になりがちなのかと思っていた。医師によると生まれついての特性との事で、これ迄無理をして起きていたのでないか?という事だった。

 言われてみれば昔から気付けば、寝ている状態であった。気絶なのか傾眠なのかこちらからは判別出来ない。霊視と無関係ではないだろう。輪華程顕著ではないが、自分も同様に眠くなる。彼女よりはコントロール出来ているだけだ。

 学生時代の思い出にシフトする。初めて友人数人と家に来たは良いがいつの間にか、カーペットの上で丸くなっていた。二人で居る様になってからは(交際未然)ベッドに潜り込んで寝入った。

  輪華は「もう付き合ってた様なもんだから良いじゃねーか」と美しき日本語を乱して言うのであるが、交際過渡期の友人男子のベッドに服を脱いで潜り込むとは何事か。理由は「服が擦れて邪魔だから」、「解放感の為」。脱ぐと言っても肌着や下着はつけた状態であるが、青き少年に対し尾を引くなかなかの心理攻撃と言えよう。

 独身時代はと言えば、やや潔癖症だと彼女に指摘され始めた時期だ。しかし輪華をベッドに載せるのは何とも思わなかった。他の女の場合はシャワー後でなければ嫌悪感があり、外気に触れていない衣類(下着)でなければベッドはおろかソファーにも坐して欲しくない心境。

 寧ろ輪華に限っては洗わなくて良い。未だに不思議だ。潔癖の自認はしているが原因は彼女にある。輪華以外は外界の汚れが気になる。

現在は可能な範囲で清潔を保たねばならない。彼女の免疫が落ちているからだ。

注;靴を車内で脱がせたのは汚れが気になるからでなくスーツにストッキングの組合せだった為、目の保養を狙っただけである。

化け猫ブログで仕事のストレスが何たら書いてあったのだが、仕事で強迫性障害に罹患する程繊細ではない。恋愛では繊細と言えようから呉々もご容赦願いたい。