告解

from takala

罰と赦し

充に対しての復讐劇について.

あの通り輪華は怒の感情も無く黙って事の成り行きを聴いていた。こうした時彼女は地蔵の如く無表情である。

そして罰して欲しいのか赦して欲しいのか尋ねて来た。分からないと答えた。分からないという答えは逃げであり、狡猾だと言われた。輪華の言動を神の答えとすると言い直した。彼女は長い溜息を吐いた。

結果として或る罰が与えられたのであるが、それは自分にとって罰ではなかった。彼女からの応答だった。「愛の業だからそれを返す」と輪華は言った。そうだ。輪華を愛した果てでした事だ。その答えだと彼女は言った。

その罰の間に考えていた事は、罰とは赦しと同等であるという事。罰を受ければ赦されるからだ。「人は間違いを犯す。間違いを罪と呼ぶのなら神様は罪を赦して下さる。愛で償い報いれば赦して下さる。赦しも天から降る愛、愛を知らしめる為に教える為に神様が人と人の罪を生んだ。高良は愛に揺り動かされた、だから愛の業だ。それに私は応える」

輪華は子供の様な囁き声、か細い声で淡々と話す。夜と朝の間、3:00AM 静けさの中で耳にしていると話しているのは輪華ではない気がしてくる。彼女は誰に喋らされているのだろうか。神か天使か悪魔か。

心地良い呪文だった。