告解

from takala

セクサロイド

 充に贈った。善意からではない。どの様な反応をするか見たかっただけである。精巧な人形。オーダーである。既製品よりは値が張る。

 最初は無反応に見えた。翌日行ってみた。使用した様子。また翌日行ってみた。やはり使用している。

 面白い事に彼の精神状態は安定していた。手触りがある、目の前に輪華だと思い込める物体がある。それだけで安心感が芽生えるものらしい。

 自分では試した事はない。結果的にそれで良かったと思われる。人形で満足し人形がある事で精神の平穏が訪れていれば、苦しむ事なく願が弱まれば本物は手に入らなかったであろう。枯渇は願念を強固にした。長きに亘り待ち望んだ為、現在の生活は幸福で在るだとか言い表せる範疇にない。

 輪華に人形は見せていない。対面させ写真に収めたい所だ。単なる芸術的観点からである。