告解

from takala

熱がある際の猫は普段よりも、夜間に魘されます。朝方に感じた事を記録しておきます。

 

呼ばれたので起きましたが、輪々華は寝ている状態でした。『ごめんなさい』と繰り返して泣いているのだが、こちらで考えた事は全く以て浅薄なものでした。

もっと悔いれば良いと思いました。許せない事は許せない事として、変わりません。

輪々華は泣いている時のほうが綺麗な顔になりますので、ずっと泣いていれば良いとも思いました。彼女が泣いたり苦しんだりしている時、可愛いと思えます。

一瞬自分の気が触れたかと思う程、暴力的な気分になりました。元配偶者の心の動きを追尾する様でした。

片手で起こしたら簡単に、実に容易く彼女の体が引き揚げられました。意識が判然としないままで震えていました。再び可愛いと思えました。

輪々華の命は今ここに有り、自分がどうにでも出来ると錯覚しました。錯覚させる様に彼女が振る舞うのは何故なのか、解るまでは何もしませんが。

情況が情況なら、とっくに殺めています。

子がなく、不安感に呑み込まれていれば。

 

とは言うものの普段は、小憎たらしい猫でしかありません。猫が顔を洗っている時の表情そのもので、話し相手になってくれます。

非常に楽しく心の休まる時間、既に二人で老後の暮らしをしている感覚です。毎日が安息日です。喪いたくありません。

 

介護されている気の強い婆さんが、しばしば文句たらたらで周りに八当りして来ますが、似たようなものです。

ちょっと強く日常生活に於て注意すれば『独りでも生きて行ける』と言います。

元配偶者や自分に守られ慣れていますから、もはや無理でしょう。10代20代の頃の輪々華には人を寄せ付けない強さがありましたが、今は優しさのみしか有していません。

元配偶者は彼女を、独りで生きて行けない女に造り変えました。どうしても自分が出来なかった事でした。彼女の体を壊す事は夢想しても、出来ませんでした。

壊れた状態でこちらに戻って来ましたが、

神から預かっているとも思いますので、下手な事はしない予定です。予定は未定ですが、一応は見込まれて預けられたと考えています。

そうでも思わねば、やっていけません。

 本日、墓参りはキャンセルです。寝かせます。